阿蘇山が噴火しても大丈夫と思う心理 正常性バイアスに気をつけて
先週、10月20日に、
阿蘇山・中岳で噴火がおきて、
火口からおよそ1km離れた中岳山頂にいた男性が、
自撮りしていたら噴火したということが起きました。
人のこころには、
「正常性バイアス」というものがあって、
人間が予期しない事態に対峙したとき、
「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が働き、
物事を正常の範囲だと自動的に認識する心の働きです。
自撮りした男性の方は、
慎重に近くの岩陰に隠れて無事だったようです。
なれていないと、
火山の噴火という危険な状態に遭遇しても、
「大丈夫だろう」という、
「正常性バイアス」で危険なことになっていたと思います。
一方、正常性バイアスを打ち破った
「釜石の奇跡」ということがありました。
2011年3月に発生した、
東日本大震災のとき岩手県釜石市にある、
釜石東中学校での出来事です。
東日本大震災の起きた直後、
学校では生徒が
「津波がくるぞ!逃げろ!」と大声で叫びながら
「避難先に指定されていたグループホーム」へ避難を始めました。
しかし、迫ってくる津波の様子を見た生徒たちが、
「ここにいても危険だ」と先生に訴えて、
さらに高台の施設を目指して避難をすることにしたのです。
避難の途中、
その様子を見た近くの住民もつられて、
高台に避難を開始しました。
そして、全員が高台についた、
その30秒後に3メートルの高さを超える津波が施設の目前まで迫ったのでした。
これについては、
学生が「あらかじめ定められた避難場所が安全だ」という、
正常性バイアスにとらわれることなく、
冷静に状況を判断して、
さらに安全な場所に避難を続けたことが結果としてよかったのです。
そして、その学生の行動を見た人に伝わって、
みんながつられて行動をしたことで、
さらにたくさんの人の命を救うことになりました。
この「正常性バイアス」の心理を防ぐために必要なことは、
「訓練」と「想像力」です。
火災や地震などの自然災害に関しては,
やはり普段から
「訓練」をしておくことで非常事態になっても、
しっかりと動けるようになります。
面倒がらずに、
どうやって避難するか想定しておきましょう。
無料で気軽に相談してストレス解消