テスラの「バッテリーデー」で電池のサプライズ
テスラが、
9月23日
「バッテリーデー」のイベントを開催しました。
イーロン・マスクは、
テスラの電気自動車や電池などの新しい技術を公開しました。
同社は、従来に比べて大型で、
56%も低コストなリチウムイオン電池を開発し、
量産化することで競争優位性を強化したい考えです。
しかし、実現にはあと数年が必要な見込みで、
生産システムの準備から用意が必要なようです。
カリフォルニア州パロアルトにあるテスラ本社の駐車場で開催されたこのイベントで、
テスラは独自開発した
「4680」セルの新型バッテリーを発表しました。
マスク氏によると、
4680セルは、現行の「2170」セルに比べて
大きさは2倍以上、
エネルギーは5倍、
航続距離は16%増、
パワーは6倍だそうです。
テスラは、シリコンバレーにある施設で新型バッテリーの試験生産を開始していますが、
マスクが目標とするテラワットアワー規模の生産能力を達成するのにはしばらく時間を要する見込みです。
マスク氏は、
「試験生産の生産能力を10ギガワットアワーまで高めるのに1年を要するだろう。
本生産に入ったら、200ギガワットアワーかそれ以上の生産能力が必要になる」
と語りました。
マスク氏は、4680セルの生産システムには、まだ不備があるようで、
「生産システムは機能する状態に近づいているが、
まだ試験生産水準には至っていない」といいます。
マスク氏は、
開催前日の9月21日になって、
「2022年まで大量生産は実現しない」とツイートしていました。
テスラが新型バッテリーを量産できるようになっても、
パナソニックやLG化学、中国のCATLなどのサプライヤーから引き続き2170セルを仕入れることになります。
テスラは、
新型バッテリーの生産能力を高めるため、
テスラはカソード(陰極)素材を生産する工場を建設すると同時に、
陽極に使っていたグラファイトを、より低コストなシリコンに変更する予定です。
同社はまた、ネバダ州にある1万エーカーのリチウム鉱山の権益を取得しました。
マスク氏は、詳細な場所や支払った金額については明らかにしていません。
バッテリーデーと同日に、
ドライブインシアター方式で、
テスラの年次株主総会も開催されました。
イベントでは、新型バッテリーの詳細な説明がなされた一方で、
量産化や生産システムの低コスト化に数年を要することが明らかになり、
投資家を失望させ、
テスラの株価は大きく値下がりしました。
これからの注目点としては、
バッテリーコストを引き下げたことで、
モデル3よりもさらに安い
25000ドル(約270万円)のコンパクトカーが実現します。
手頃な価格の電気自動車が販売されれば、
日本でも電気自動車のシェアが増えるでしょう。
低価格電気自動車は、
3年ほどの期間がかかりそうですが、
テスラなら現実のものとなりそうです。