日曜大工やガーデニング、野菜作りなどは，
変わらず人気があります。
人気の理由は、
自分で手作りしたものの喜びを味わいたいのだろうと思います。
「自分で作る」
ということは大きな満足をもたらすのだそうです。
自分が、
実際に手をかけて，
時間や労力を費やして完成させたものに対して，
人は特別の愛着を感じ、
それを高く評価するようになります。
そのようなことを
「イケア効果」と呼ばれています。
「イケア（IKEA）」は、
スウェーデンの家具販売会社で、
イケアの家具の特徴として、
多くの製品に手作りの要素を残してあって、
自分で組み立てなければならないのです。
手作りが価値を生むという現象に、
「イケア効果」という名前をつけた、
アメリカの行動経済学者、ノートン氏などが、
いくつかの実験を行って、
イケア効果が起こるかどうかを正確に確かめています。
最初の実験では、
参加者の半数は実際にイケアの箱を組み立て，
残りの人は組み立てませんでした。
次に，
箱を組み立てた人と組み立ててない人が，
組み立て担当の人が作った箱を手に入れるために払ってもよいと思う金額を聞いてみました。
すると，組み立てた人は自分の組み立てた箱に対して、
平均78セント、
組み立てなかった人は同一の箱に対して、
平均48セント、
払ってもよいと答えました。
明らかに、
全く同じ箱に対して高い評価をしたのでした。
イケア効果により売れるようになった
商品のたとえとして、
ホットケーキミックスがあります。
ホットケーキミックスは今では定番で売れていますが、
発売当初は、あまり売れませんでした。
最初のホットケーキミックスは、現在のものより更に簡単な、
粉に水を混ぜて焼くだけで作れるものでした。
それほどお手軽なのに、なぜかヒットしませんでした。
そこで「調理が簡単すぎるのが売れない原因ではないか」と考えて、
現在売られている、
購入者が卵と牛乳を混ぜて焼くタイプに変更しました。
このタイプのホットケーキミックスに変えて売り出したところ、
売れ行きが劇的に向上したそうです。
普通なら「購入した人の手間は、少なければ少ないほど喜ばれる」と考えますが、
逆に購入者の手間を増やすことで、
手作りの楽しみや「自分で作った」という満足感を与えることで、
商品がヒットしたのでした。
デメリットとしては、
努力したものを過大評価してしまというマイナスの面もあります。
イケア家具のように、
自分で、あえて一手間かけることで、
満足感をあじわうことができるということを、
普段の生活などで利用してみてはいかがでしょうか。
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