新しい治療薬で「認知症」が治る 条件付きで販売開始
新しいアルツハイマー病の治療薬を
エーザイとバイオジェンが開発しました。
2社が開発した、
アルツハイマー病の進行を抑えるための
治療薬「アデュカヌマブ」について、
米食品医薬品局(FDA)が製造販売を条件付きで承認しました。
承認先進国を中心に高齢化が進む中、
新しいタイプの認知症薬がついに使われることになります。
認知症の患者は世界に約5千万人、
国内に約600万人います。高齢化の進行とともに、
さらに増えると見込まれます。
これまでは、
認知症薬としては現在、
アリセプトなど4種が国内で承認されています。
これらの薬は、症状の改善をするものです。
生き残っている神経細胞を活性化させ、
一時的に認知機能がよくなりますが、
病気は進行していきます。
新薬「アデュカヌマブ」は、
もっとも一般的な認知症であるアルツハイマーの症状ではなく、
その根本的な原因に作用するとされています。
アルツハイマー病の新たな治療法の承認に、
慈善団体からは歓迎の声が上がりました。
一方で科学者の間では、
臨床試験結果の不確実性から、
同薬の効果について意見が割れています。
エーザイの内藤CEOは、
薬は高価格だが、
認知症の家族の負担軽減など、
薬がもたらす多面的評価で見てほしいと語っていました。
エーザイでは、
アメリカ政府の保険制度活用や、
NGOとの提携などで所得が低い人にもこの薬を届けたいとしています。
バイオジェンのミシェルCEOは会見で、
「今回の承認は、
アルツハイマー病治療薬開発の新たな時代を告げるものだ」
と話しました。
自宅療養や介護施設でのケアを回避できる可能性が少しでてきたようで、
今後のどのように効果があるか、
期待して見ておきたいと思いました。