時間が経つと不信感が信頼感に変わる心理 信用が変わるスリーパー効果
最初は、
「えー、なにそれー」
みたいに思ってあんまり信用できないなあと思っていた情報だとしても
時間とともにどこから入手したかを忘れてしまって、
なんとなく本当のような気がしてしまうということがあると思います。
例えば、
「資産運用はAI投資に任せれば簡単にできる」
というスマホアプリの、
テレビCMが連日流されていたとします。
「最初は資産運用がそんな簡単にできるわけがない」
と、広告の内容は全く信用していなくても、
毎日そのCMを目にしている間に
サブリミナル効果のように、
潜在意識にそのメッセージが刷り込まれていき、
だんだん信用するようになります。
最終的には、
「アプリを使えば資産運用は簡単」
というメッセージだけが記憶されてしまいます。
これで、スリーパー効果が発揮され、
そのアプリについて自分でも、
調べたりダウンロードするようになります。
スリーパー効果とは、
時間の経過とともに情報の内容のみが記憶され、
情報源に対する信頼性が薄れていくことなのです。
アメリカの心理学者ホヴランドさんの、
情報源に関する実験では、
実験協力者に、ある偏った内容の意見文を読ませて、
「どの程度信用するか」を尋ねました。
半分の人には「この意見文は権威ある科学雑誌に掲載されたものだ
(信憑性が高いもの)」と伝え、
残りの半分の人には
「あまり信用できない雑誌に掲載されたものだ
(信憑性が低いもの)だと伝えました。
その結果、信憑性が高い情報源からの意見文だと知らされた人たちのほうが、
信憑性が低い情報源からのものだと知らされた人たちよりも、
意見文の内容を信用する率がはるかに高いという結果が得られました。
普通にかんがえると、
これは、当然のことでしょう。
ところが、その4週間後に再度意見を求めたところ、
興味深い結果が得られました。
以前に信憑性の高い情報源と伝えられていた人たちでは前回より信用する率が減少し、
逆に信憑性の低い情報源と伝えられていた人たちでは信用する率が増加して、
両者の差がなくなっていました。
つまり、
情報源による効果が消えてしまったのです。
「この話は誰から聞いたんだっけ?」
「これはどこで見たんだっけ?」
という経験は、
誰もが日常的にしていると思います。
内容そのものはインパクトがあって覚えていても、
情報源を忘れてしまうのです。
一方で、
初めて会う人や
信頼関係が十分に構築されていないと考えられる時は、
話を半分しか聞いてもらえなくても、
相手の心のどこかに残るような工夫をすることで、
ジワジワとスリーパー効果を発揮し、
「そういえば、あの話がもう一度聞きたい」
と思ってもらえるかもしれません。
ただ、
気をつけたいのは、
どんな情報であっても、
「これは本当でない可能性だってあるかもしれないな」
という意識は必ず頭の片隅においておいたほうがいいと思います。
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