投資で成功する 「ケインズの美人投票」
投資の有名な格言に、
「ケインズの美人投票」
というものがあります。
イギリスの著名な経済学者である
ケインズは、
効率的市場の考え方には懐疑的だったようです。
効率的市場の考え方をする人たちは、
「プロの資金運用者が抜け目なくサヤ抜きをするので、
市場は常に効率的になる」と主張します。
しかし彼は、
「株式市場での株価予想は美人投票と同じようなもので、
プロの資金運用者はサヤ抜きではなく株価の推測ゲームをしているのだ」
と指摘しました。
ここで、
ケインズの美人投票というのは、
優勝者に投票した審査員も
「審美眼がある」という賞品がもらえるのです。
これは、
審査員は自分が美人だと思った候補ではなく、
他の審査員が投票しそうな候補に投票するようになります。
自分はAが美人だと思っても、
Bが登場した時に拍手が大きく人気があるようだと、
Bに投票した方が有利になります。
また、
「Cが勝つとの噂がある」と聞けば、
Cに投票するほうが有利になります。
ケインズのいう美人投票では、
勝つという噂が流れると、
皆がその候補に投票するので、
本当にその候補が勝つことになり、
その候補に投票した人が儲かることになります。
これは、株式投資と似ていて、
値上がりするといううわさがある株を買うと、
皆がうわさを信じて同じ株を買うので株価が上がり、
利益が得られる可能性が高いからです。
だれかが美人だというは、
うわさが嘘であっても関係ないといういことです。
株式投資も同様では、
人々が誤った噂を信じている時には、
「自分は真実を知っている」などと自己満足するのではなく、
他人と同じように行動する事が利益につながることになります。
株の世界では自分が気にいった銘柄を
ずっと持ち続ける人がいるのではないでしょうか。
「株式投資は美人投票」
とは有名な言葉ですが、
実際にはみんなが最も美しいと思う株ではなく、
自分が美しいと思う株を買ってしまうことが多いと思います。
他人の心理をどう読むか。
投資だけでなくいろんな局面で、
それが成功の分かれ目になるのかもしれません。