人は、
あいまいなものを避ける心理があります。
エルズバーグという有名な博士が、
ある心理実験をしました。
ここに2つのツボがあります。
ツボ1には赤い玉50個と白い玉50個が入っています。
ツボ2には赤い玉と白い玉が合わせて100個入っていますが、
赤と黒の割合はわかりません。
赤か白かを予想して、
1つの玉を取り出します。
赤い玉を引けば1万円もらえるとしたとき、
どちらのツボを選びますか?
この問題では、
どちらのツボ選んでも赤い玉を引く確率は変わりません。
2のツボの中身は白い玉ばかりかもしれませんが、
赤い玉ばかりかもしれません。
だから、2のツボも赤い玉を引く確率は5割なのです。
どちらのツボを選んでも変わらないのですが、
ほとんどの人は1のツボを選びます。
この気持ちはわからなくはないですね。
中身の内訳が不明な2のツボは、
なんだか気持ちが悪いと思ってしまいます。
だったら、
確率がわかっている1のツボを選んだ方がいいということでしょう。
まあ、この問題の場合は外れてもリスクはないですからね。
でも、仮に赤い玉を引いたときの賞金が10万円だとしたら、
かなりの人が2のツボは選ばないでしょう。
このように人は確率が測れるものを好んで、
測れないものを嫌う心理があります。
あいまいなものを避ける心理は、
投資にもあります。
たとえば自分に知識や経験があり、
多少自信があると思う分野にはそれなりの自信を持って判断します。
その事象が起きる確率を推定する能力に自信があるからです。
逆に自分がまったく知らない分野では、
エルズバーグの実験のように、
五分五分の賭けに出た方がいいようにかんがえます。
株式市場に精通していると思っている人は、
宝くじよりも株式に投資するでしょう。
でも、株を全く知らない人は宝くじに賭けることでしょう。
このように、
私たちは意思決定の際に確率を頼りにしています。
投資はしっかり、
知識と経験を積みながら、
慎重に実行して行きましょう。